2010年7月 9日 (金)

2010東京国際ブックフェア

 二、三年ぶりに東京国際ブックフェア(東京ビックサイト)へ出かける。
Bookfair2   初日だが、これまでになく来場者が多く感じられた。電子書籍(出版)時代の本格的到来と騒がれるようになった影響か。
 思えば、一九八〇年代半ば、IT系版元に入り、当時の電子出版協会の勉強会などにも参加し始めたが、二十五年ほど経ってようやく本格的に動き始めた。
 アマゾン、アップル、グーグル……結局電子書籍(出版)の本格始動もまたアメリカ発となってしまった。

 その電子書籍(電子出版)分野では、当面一番の見どころはアップルということになろうが、ブースは出ていない。たしか前回出展していたはずのソニーの姿もない。キンドルのアマゾンも、もちろんない。

Google_2  注目を集めたのはグーグルのブースくらい。ブースはそう大きくないので、「グーグルエディション」デモのときには観客が通路にも溢れる。版元、著者、書店へも「配慮」したビジネススキームをアピールした内容だが、あまり詳しいものではなかった。
 NECはグーグルの携帯OSアンドロイド向けの端末を参考出展していた。

 他には、小さなブースだが、ipad、iphone向けコンテンツのオーサリングツール・movilioSUTADIOに注目。PDF原稿を用意すると、編集からアプリケーション化、電子店舗での陳列・販売・売上管理までしてくれるというもの。「セルフパブリッシング」のツールだ。もっとも配信月額が1本の場合10,500円なので、それを上回る売上げがないと赤字になる。
 これからは電子と紙が併存していくことは間違いないが、読者、著者、出版社、プラットフォームを含む流通、書店の関係洗い直しが始める。これをチャンスととらえることが大切になりそうだ。

Bookfair  前回はアドビが大きく出展していたり、DTP関係の出展が多かった記憶があるが、今回は同分野の展示はフォントのモリサワくらいしか見かけなかった。ずいぶんの様変わりだ。

 全体に、大手版元のブースはやや縮小されている。経営の厳しさを反映しているのだろう。海外からの展示スペースも、前回よりやや減少しているよう。ただサウジアラビアは全出展団体中一番のスペースを確保し、出版というより、国のイメージを前面に押しだしていた。

Uojin 帰りに旧友の編集者と合流し、月島にある魚が旨くて安い店「魚仁」で、あれこれの感想会。午後5時半に入った店内は、すでにほとんど満員。辛うじて席を確保して、マグロの中落ちをつまみに生ビールを。

2008年9月15日 (月)

ニーチェ ~沸騰する自意識の空騒ぎ~

 「弱者と出来損ないは亡びるべし、――これはわれわれの人間愛の第一命題。彼らの滅亡に手を貸すことは、さらにわれわれの義務である」
  (西尾幹二訳『アンチクリスト』)

 ほんとうにニーチェさんの書には物騒なことばが並んでいる。
 滅亡に手を貸すのが義務……とまでニーチェさんは言う。余計なお節介だし、恐ろしいことだ。
 このフレーズ、現代でも耳にしたことがある言説であり、それがどんな悲惨をもたらしたことか。
Nietche1  (写真は理想社版ニーチェ全集から)

 ところで「滅亡」するべしとされる「弱者」らを誰が決めるのだろうか。ルサンチマン・ニーチェさん? まっぴらご免被りたい。だれもそんなことを決められない。

 ニーチェさんの書に溢れているのは、過剰な自己意識だ。それはそれで、青春などには強くある現象にすぎない。
 けれども心しなければならないのは、自己意識を昂揚させたり沸騰させたりするために、「賤民」や「蓄群」を措定してそれらを罵らなければならないとすれば、それはもっとも責められるべきルサンチマンの世界というしかない。

★ホームページ更新★

ニーチェというルサンチマン(3)
「あらゆる価値の価値転換」という誇大広告
http://toyodasha.in.coocan.jp/sub7/sub7-24.htm
ニーチェというルサンチマン(4)
過剰な自意識の空虚
http://toyodasha.in.coocan.jp/sub7/sub7-25.htm

2016年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

最近のトラックバック

無料ブログはココログ