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2013年6月 8日 (土)

『吉本隆明と「二つの敗戦」』

拙著新刊!
『吉本隆明と「二つの敗戦」』
~近代の敗北と超克~
(とよだ もとゆき)

 昨年(2012年)亡くなった吉本隆明さんは「敗戦」を二度迎えている。一度目は1945年二十歳の夏。そして二度目は、自ら「第二の敗戦期」と表した近年(晩年期)。その象徴が「3.11」の福島第一原発事故だった。
 前者は、近代戦における日本の敗北だった。しかし、後者は近代戦における敗北ではない。近代(を極めた現代)自体が敗北を迎えた、ととらえるほかない。Yosimotohutatunohaisenn2
 質を異にする二つの「敗戦」は、彼の思想営為にどんなことを強いたのか。それを探りながら、近代(を極めた現代)を超える方向を本書で考えてみた。

 主な問いを列記してみる。
○なぜ「科学の進歩」を止めてはならないとして「反・脱原発」を苛烈に批判し、それを「原発稼働」と直結させたのか。
○思想営為の基本に据えた「大衆の原像」というOS(オペレーティングシステム)に、なぜ最後までこだわったのか。それはもはや時代にそぐわなくなくなり、切り替えが必要だったのではないか。
○以前から小林秀雄の限界を指摘し、「小林秀雄ってダメだね」と厳しく断じていたにもかかわらず、現在を「第二の敗戦期」とした晩年になると、敗戦後の小林秀雄の言、「僕は無智だから反省なぞしない」を強く評価するようになった。いったいなぜか。
○ヘーゲル・マルクスの歴史観を批判して「史観の拡張」をめざしたが、彼らのそれをほんとうに超えたのだろうか。
○農業問題に触発された「贈与価値」論、さらに晩年提示した「存在の倫理」は、「現代の超克」の方向を指し示しているのだろうか。
○2008年、従来の自らの営為とぶつかるような意外な慨嘆を漏らした。それはなにゆえか。

『吉本隆明と「二つの敗戦」』
~近代の敗北と超克~

(とよだもとゆき)
四六判 184ページ 定価1,500円(税別)
発行=脈発行所
メールアドレス higa20@nirai.ne.jp (電子メールで注文可)
その他京都・三月書房、一部大型書店で(「地方小出版流通センター」取扱)

目次等、詳細はこちら

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