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2011年10月 6日 (木)

あがた森魚の立ち姿

 しばらくまえ、真夏の夕べ、近所の小ホールで開かれたボサノヴァのコンサートに出かけた。ギタリスト三人によるボサノヴァ、サンバということで聴いてみたかったが、それとはあまり関係なさそうなあがた森魚さんが、なぜか特別出演するというのにも、惹かれた。
 七〇年代初頭、アルバム『乙女の儚夢』は聴きこんだが、それ以来すっかり接点はなかったが、五、六年前久しぶりに「赤色エレジー」を歌う、現在のあがたさんの姿をテレビで見かけた。その歌いっぷりはなかなかよかった。

 そして、今回の舞台でのあがたさんも、期待を裏切らないものだった。「赤色エレジー」はないが、最近のうたを二、三曲披露した。「俺の知らない内田裕也は俺の知ってる宇宙の夕焼け」「渓谷鉄道研究家になるんだ」……。
 フォークでも、歌謡曲でも、ロックでも、童謡でもなく、あるいはロックのような、童謡のような、少年唱歌のような、決意表明歌のような、不思議な世界へ連れて行ってくれる。既存のエリアに収まりきらない、伸びやかな、しなやかな歌の世界。
 暗色の帽子に、同色の上下の服。絞られた体の線と動きはもたつきがなく、不思議な存在感を放っていた。

 ちょうどそのあと、一般紙に珍しく紹介されていた。黒縁眼鏡をかけていると、なんとなく永井荷風に似た風貌、雰囲気(失礼)。「80歳まで歌うよ、オレ」とのこと。
 みごとな歳の重ね方をしているなあ、この人は。

Agatamorio2

(写真はアルバム『俺の知らない内田裕也は俺の知ってる宇宙の夕焼け』)

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