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2008年9月15日 (月)

ニーチェ ~沸騰する自意識の空騒ぎ~

 「弱者と出来損ないは亡びるべし、――これはわれわれの人間愛の第一命題。彼らの滅亡に手を貸すことは、さらにわれわれの義務である」
  (西尾幹二訳『アンチクリスト』)

 ほんとうにニーチェさんの書には物騒なことばが並んでいる。
 滅亡に手を貸すのが義務……とまでニーチェさんは言う。余計なお節介だし、恐ろしいことだ。
 このフレーズ、現代でも耳にしたことがある言説であり、それがどんな悲惨をもたらしたことか。
Nietche1  (写真は理想社版ニーチェ全集から)

 ところで「滅亡」するべしとされる「弱者」らを誰が決めるのだろうか。ルサンチマン・ニーチェさん? まっぴらご免被りたい。だれもそんなことを決められない。

 ニーチェさんの書に溢れているのは、過剰な自己意識だ。それはそれで、青春などには強くある現象にすぎない。
 けれども心しなければならないのは、自己意識を昂揚させたり沸騰させたりするために、「賤民」や「蓄群」を措定してそれらを罵らなければならないとすれば、それはもっとも責められるべきルサンチマンの世界というしかない。

★ホームページ更新★

ニーチェというルサンチマン(3)
「あらゆる価値の価値転換」という誇大広告
http://toyodasha.in.coocan.jp/sub7/sub7-24.htm
ニーチェというルサンチマン(4)
過剰な自意識の空虚
http://toyodasha.in.coocan.jp/sub7/sub7-25.htm

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