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2008年4月20日 (日)

「From Left to Right」

~ビル・エヴァンス「From Left to Right」~

Evans_right2  かつてグレン・グールドが初めてオルガンで「フーガの技法」に取り組んだときは、既存のオルガン演奏を意識してじつに挑発的だったものだったが、エレクトロニック・ピアノを初めて演奏するビル・エヴァンスは、そんなことはなくオーケストラを背景にたっぷりと歌い上げている。エレクトリックピアノとグランドピアノの両方を駆使したアルバム(録音は1969~1970、Verve)。

 冒頭ミシェル・ルグランの「What Are You Doing the Rest of Your Life?」からがそうだ。この曲は、ストリングスを背景にしたもののほかに、ボーナストラックとしてクァルテットだけのものも納められていて、比較することができる。オーケストラが入っているのも、それなりに味わいがある。トリオを組んでいるエディ・ゴメスとドラムスのマーティ・モレルが支えているところが大きいのだろう。
 「Children's Play Song」「Why Did I Choose You?」などもよい。他にボサノヴァ調の「Dolphin」も。

 60年前後のリバーサイド時代のピアノトリオが抜きんでているのは間違いないが、それが彼のすべてではない。それぞれの時代の生があり、人生を積み重ね、演奏する仲間も変わる。さまざまな必然と偶然が織りなすなかで、そのときどき彼が演奏してきた。そういう感慨を抱かせてくれるアルバムだ。
 69年から70年に録音され、時代を反映してイージーリスニング風なところもあるが、しみじみと聴き入ることができる。

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