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2007年1月11日 (木)

スローワークということ

○ひと括りにできない団塊世代

 村上龍さんが主宰するJMM [Japan Mail Media] では、新年早々のJMM(メルマガ)で、2007年の「団塊世代の大量のリタイアは、どういった問題を生むのでしょうか」という村上さんの質問に、金融・経済系の常連メンバーが意見を述べていた。
 2007年の問題点として危惧される点としては、技術継承が絶たれてしまう、労働力の供給が不足する、年金・介護保険制度が破綻に瀕する、多額の退職金支払いで自治体の財政が破綻に瀕する、等が挙げられる。再雇用や定年延長で若年層の雇用を圧迫すると危惧する向きもある。
 他方、プラス面としては、退場によって労働市場へ若者が参入しやすくなる、退職金支給によって消費市場が活性化する等々が語られていた。
 戦後の経済成長の恩恵に浴した逃げ切り世代として団塊を叩く意見もあれば、シニア内の格差拡大を心配する向きもある。

 概ね、各論者の各論はこれまで俎上に挙げられていたポイントを衝いている。まったく対照的な見方も並んでいるが、要するに両論ともに成立するくらい、団塊世代の今後のありようは、ひと括りにしがたいということだ。もちろん他の世代も同じだが。
 ひと括りではとても語れない、多様な経済状態、生き方が出現するのだろう。おめでたくハッピーリタイアメント生活を迎える人もいるだろうし、そんな余裕がとてもない人もいる。
 だから、今となっては団塊世代ということばを使うことが妥当かどうか、疑問を投げる論者(北野一さん)もいる。もっともではある。

 静かに余生を送ってくれたほうがいいという論者もいれば、団塊世代がこれから新しい高齢社会のあり方を示してくれればとエールを送る論者もいる。たしかにこの世代の一部が、これまで新しいムーブメントを生みだしてきたこともたしかなのだから。

○既存の働き方を組み替えていく

 8日の夜、NHK総合でNHKスペシャル「日本の縮図 1000人にきく団塊の素顔」という番組があった。
 スタジオと全国1000人の居間を結ぶ新システムということで、ネットでつながった各地の団塊世代にアンケートをとりながらの番組。
 スタジオには、司会の桂文珍さんのほか、橋爪大三郎、里中満智子、崔洋一らの団塊世代、少し若いラサール石井、団塊ジュニアに近い倉田真由美の各氏らが並んでトーク。
 何歳まで働きたいかとの問いに、ネットでの回答は65歳がもっとも多く、それに70歳までが続き、平均すると、66.3歳という集計になっていた。
 体力も気力もまだ衰えが少ないのだから、当然の数字でもある。

 むしろ課題にしたいのは、たんにこれまでの延長上で働くことをイメージするのではなく、働くかたちを少しずつ組み替えていくことではないだろうか。

 こうした中で求められるのがスローワーク。社会が強いる利益追求を唯一至上の秤としない活動。といってボランティアでもない、それなりの責任ある活動。結果だけをファーストに求めるのではなく、プロセスを重視し、そこでのさまざまな力の育成をも大切にしていく。生産者と消費者のつながりをたいせつに、地域コミュニティの視点をももつ活動。
 それは、一部論者が言うような、高齢者が若年層と労働市場を争うようなものではない。労働のあり方そのものを問い直し、働くことに引き気味の若者にも多少は光を投げかけ、さらに社会のしくみの組み替えさえ質として内包するような労働のあり方だ。

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