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2006年9月14日 (木)

あがた森魚さん まっすぐな「赤色エレジー」

 突然テレビ画面に、若い頃に活躍し、その後音沙汰のなかった歌手が写し出されることがある。

 たしかNHKだったと思うが、なつかしのメロディのような番組を八月の下旬にやっていた。
 ふと、あがた森魚さんが登場し、「赤色エレジー」を歌った。番組表など見ていないので、まったく予期せざる登場に映った。
 これには釘付けになった。
 若いときから、少し老け顔だったあがたさん、21世紀にテレビに出てきてもまったく変わっていなかった(ように感じられた)。
 ひたむきに「赤色エレジー」を歌った。背後には林静一さんのイラストが浮き上がり。歌もバックのプレイヤーもよかった。
 あがたさんのファンということでもないし、その後熱心に追うこともなかった。でも、アルバム『乙女の儚夢』だけはしっかり買った。1972年ごろのこと。
Otomenoroman  当時はフォークにはあまり心を寄せることなかったのだが、あがたさんの「赤色エレジー」が入ったアルバムを買うことに迷いはなかった。もちろん林さんの『赤色エレジー』はすでに書棚にあった。(写真は『乙女の儚夢』レコードから)

 今回心動かされたのは、三十数年を超えてひたむきに歌っていた風情だ。風化なんて感じさせずに。
 昔の人が登場すると、歌う力が落ちていたり、あるいは、人生経験を重ねたがゆえに変に歌をいじり回しこねくり回して崩したりして、がっかりさせられることが多々ある。
 崩すことが円熟とは限らない。ひたむきさの成熟だってある。

 あがたさんは変に崩したりしなかった。昔と同じように、かどうかはわからないが、そう感じられるように、とにかく「赤色エレジー」という楽曲をひたむきに、まっすぐに歌い上げた。それは現在の「赤色エレジー」だ。けっして懐古ではなく。
 あがたさんが『乙女の儚夢』を出してヒットしたあと、どのような生を刻んできたのか、熱心なファンではないので、まったく知らない(ネットで調べると、ずうっと活動を続けてきたことがわかる)。
 今回のテレビ画面には、あがたさんの現在の立ち姿が映し出されていた。
 そしてわたしのなかでは底に沈んでしまっていた1972年ごろが、情況が捻れつつある時期だったことが思いおこされる。

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