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2006年4月22日 (土)

団塊フェア

 久しぶりに東京のジュンク堂書店に寄る。
 エスカレータ横の壁に「団塊フェア」開催中とある。2階フロアを歩いてもなかなか見つからないが、奥の小さな一角にようやくコーナーを探し出す。
 3棚ほどに50点前後だろうか、書籍、ムックが並んでいる。「団塊」という括りで書棚がいくつかできてしまう。ふう。

 まず目に付くのが、団塊市場についての本。大手広告代理店が分析する団塊世代のマーケティング書など。マーケティング本のはずなのに、自身のルサンチマンが露わにされている三浦展さん『団塊世代を総括する』もちゃんと置かれている。団塊世代の生き甲斐発見のムックもある。

 小説では堺屋太一さんの『エクスペリエンツ7 団塊の七人』。
 そのほか、なぜかマルクスに関する本が。といっても最近出た、コメント本のようなもの。
 三田誠広さんの『僕って何』、高野悦子さんの『二十歳の原点』まで並んでいる。全共闘の写真集。吉本さんの『共同幻想論』もあったかな。

 仕事に必要な他の本と合わせて、『二十歳の原点』(文庫)を買う。たしか、亡くなった親友の書斎から持ってきたものがあるはずだが。

 71年ごろに出版されたときは、書店でちらっと見たきり、棚に戻した記憶がある。当時、無数にあった青春のひとつにすぎず、死に魅せられていた若者はたくさんいたし、『二十歳の原点』は甘すぎるように思えたから。
 歳を重ねたあと京都に仮住いするようになり、そうだ、高野さんは京都の大学にいたんだな、と想い出し、買ってきた文庫を、その晩改めて読み進めてみた。

 立命館大学の広小路キャンパスや、よく出てくる「しあんくれーる」はすでにない(写真は、店跡)。
 高野さんは同じ世代の男の子には充たされず、年上、働いている“生活者”としての男性に惹かれていたのだと思う。
P1010035

 それに、京に仮寓居を構えてから感じるようになったが、京都という街のサイズ。ふつうに生きていくにはほどよい広さの空間に違いない。東京のように締まりのない広さよりずっといい。
 ただ、当時セクトやグループが相争い、友人どうしで生き様を鋭く問い合う状況下では、東京に比べずっとコンパクトなこの空間では、逃げ道や息抜きの場を確保しにくく、しんどさは増幅されたのかもしれない。
 文庫の奥付を見て驚いた。「平成17年10月 48刷」とある。たいへんなロングセラーだ。

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